哲学はどこへ行った
服の話、形而下の問題。
マッキントッシュフィロソフィーが出始めのころに良く買った。
ワンピースを着ていると「それどこの?」と尋ねられた。
シンプルなAラインだけれども小さな原色のドット、紺と黄の目立たない小花柄だけれども艶のある生地など。
しかし当時から、このブランドには『ラッピング』がなかった。
カーディガンをちょっと高価なプレゼントとして送りたくても、ブランドのリボンも箱もなかった。
権利の問題だったのだろうか。
店員さんも
「ご要望をいただくので、ラッピンググッズを作ってくれるよう本社に言っているのですが、作ってくれなくて・・・」と言っていたのが印象に残っている。
1着3万円のワンピースは、よくよく吟味して買ったけれども、外れはなかったので良い買い物だった。今でも着ている。
何年か服を買い続けていたものの、
まさしくマッキントッシュロンドンが出てきたあたりで「百貨店っぽさ」を感じるデザインになってしまった。
百貨店っぽさというのは、控えめに言って、
野暮ったく、モダンではない、ベージュが多すぎて色味にセンスのないデザインになった。
なので、もう何年も買っていない。
デザイナーが変わったのだと思っていたけれど、なるほど、あれは百貨店っぽくなったのだ。